工務店やハウスメーカーに依頼する際のチェックポイント
ここを押さえれば大丈夫!工務店とハウスメーカー選びの重要ポイント
工務店かハウスメーカーに注文住宅の建築を依頼するなら、様々な部分に判断基準を設けて会社選びを行う必要があります。 仕事の取り組み方、信頼性の見極めポイント、建築技術、金額、所在地の5つの項目に分けて比較したいと思います。
仕事の取り組み方
- 【工務店】
工務店は、大きく捉えると建築関連の工事の請負業者といえます。複数の専門工事業者をマネジメントしたり、工事全体を管理したりします。ただ一口に工務店と言っても、様々な形態に分かれています。
職人である棟梁が設計から工事まで行う棟梁タイプや自社で土地を購入し、建売住宅や分譲住宅を販売するデベロッパータイプ、設計を社外に依頼している設計重視タイプなど、実に様々です。
実際のところ、現在国内にある工務店はこれらのタイプがいくつか複合しているところがほとんどです。だから、工務店探しをするときは目星を付けた工務店がどのようなタイプであるか見極める必要があるのです。
注意しないといけないのは、工務店によっては腕の立つ大工がいないケースがあるという点です。工務店にいる大工は、「常雇」と「手間請け」の2タイプに分かれます。簡単に言うと、常雇は正社員のようなもので、手間請け大工は契約社員のようなものです。
手間請け大工の中にも良い腕を持っている場合もありますが、基本的に常雇大工はみな腕が立つ人間ばかりです。 もし可能であれば、常雇大工を多く雇っており、その人らに作業してもらえる工務店を選ぶようにしましょう。
- 【ハウスメーカー】
ハウスメーカーはいわば住宅建築会社で、各ハウスメーカーは自社のオリジナル性を持って家づくりを受けています。
お客さんとなる人にカタログを私、それを元に設計を立てていくシステムとなっているので、自由度に関して言えば工務店より低いといえます。 ただモデルハウスを見た上で大まかな設計を考案できるので、建築を始める前に大まかな全体像をイメージできるというメリットがあります。
ハウスメーカーによって得意なデザインがあったり独自の工法を持っていたりするので、ハウスメーカー探しをする際は各メーカーの得意分野や強みなどをチェックしておくと良いでしょう。
信頼性の見極めポイント
- 【工務店】
- 【ハウスメーカー】
工務店は家づくりのノウハウを熟知してはいますが、だからといって工務店側の指摘やアドバイスを鵜呑みにするのは危険です。
本当に良い工務店は、提案を強いてきたり、こちらの要望を全て聞き入れたりといったことはしません。優良工務店は、こちらの要望をしっかり受け止めた上で、様々な観点からそれを最大限に活かそうと考え、提案してくれます。
また地域密着型の工務店は、開業当時から地元のお客さんとのつながりを大事にしているはずなので、いろいろな部分で十分信頼がおけます。
ハウスメーカーに注文住宅づくりを依頼した場合、最初に営業担当者とベースを決めながら契約を交わし、契約後は担当者となるスタッフと打ち合わせを決めていきます。
打ち合わせの内容も重要ですが、信頼できるかどうかを見極めるには、やはり初めに行う営業担当者とのやり取りで判断する必要があります。家づくりのベースとなる部分は営業担当者の力量で決まると言えるからです。
第一印象や家づくりに関する知識を持ち合わせているかどうか、そしてこちらからの要望に対してハッキリとした答えやその理由をすぐに言えるかどうかなどをチェックしながら判断していきましょう。これらをクリアしているところは信頼のおけるハウスメーカーと言えます。
建築技術
- 【工務店】
- 【ハウスメーカー】
工務店の技術力を見極めるための一番簡単な方法は、施工中の現場を直接見にいくことです。外目に見えるデザイン性だけでなく、仕上げの正確性や丁寧さなどもしっかり確認するようにしましょう。
また、可能であればその工務店が建築士や施工管理技士などの専門スタッフを抱えているかどうかも合わせて確認しましょう。
ハウスメーカーの技術力を見極めるには、完成見学会に行くのが一番です。営業担当者にその旨を伝えれば、簡単に参加することができます。
なぜ住宅展示場ではなく完成見学会を勧めるのかというと、完成見学会は基本的に一般の人が購入した家だからです。住宅展示場はオプションがかなり盛り込まれている可能性が高く、価格も相場よりやや高めである場合がほとんどです。
また、近年ハウスメーカーは断熱性や空調設備、免震性などに力を入れている傾向にあるので、これらの目に見えない部分を確認するためにも完成見学会を通して営業担当者から説明を受けておきましょう。
金額
- 【工務店】
- 【ハウスメーカー】
工務店のメリットの1つと言えますが、注文住宅づくりにかかる費用は、工務店はハウスメーカーよりだいぶ安く抑えることができます。
制約が少なく自由度が高いため、理想の家を安くつくることができます。 ただ、当然「安ければ良い」というものでもありません。想像していた以上に安い見積りを立てられた場合は、内訳を事細かにチェックするようにしましょう。
注意が必要なのは「一式見積り」のような書き方です。明細見積書を通して内訳を1つ1つ確認できないようであれば、それを請求するか、別のところに依頼するのが賢明です。
ハウスメーカーに注文住宅づくりを依頼した場合、総費用は工務店より高くついてしまいますが、その分技術面や品質性はかなり高めです。
施工実績に優れたハウスメーカーは倒産の心配がなく、また住宅性能の向上に力を入れているので、安心して家づくり全般を任せることができます。
また費用が高くつくと言っても注文住宅をつくるとなった場合、予算の相談ありきで進んでいくので、後々支払い不可能となることもないでしょう。 特に金額にこだわらない、という人はハウスメーカーに依頼したほうが良いでしょう。
施工会社の所在地
- 【工務店】
- 【ハウスメーカー】
工事中もしくは完成後に何かあった場合、施工を依頼した工務店が地元にあるところであれば早急に対応してくれます。
現場に来てくれることになった場合も、短時間で駆け付けてくれるでしょう。 また、建設地が近ければ工務店側は現場管理しやすくなるので、管理費が小さく収まります。
ハウスメーカーも工務店同様、建築現場から近い場所であるほどスピーディーな対応が期待できます。またハウスメーカーは保証制度がとても充実していることが多いので、定期巡回や定期点検なども何かとスムーズかつ満足のいく対応が期待できるでしょう。