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注文住宅で子育てするための工夫

新しく家族が増え、現在の住まいが狭く感じられるようになったことなどをきっかけに、新しい家建てようと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような場合、注文住宅を利用する場合は特に、子育てをしやすい間取りや設計がほどこされた家を建てたいところです。

また、間取りを決める際には、子供が成長し、やがては巣立っていくことなども考慮にいれておきましょう。このページでは「生涯という長いスパンでみて、快適な暮らしができる住まい」をつくるためのポイントをみていきましょう。

おさえておきたいポイント

リビングや玄関は広めに作る

子どもの様子を見守れるリビング

子どもが幼いうちは、家事をしている間も、子どもの様子が気になることが多いのではないでしょうか。そこで、リビングとダイニング、そしてキッチンを一続きのようなかたちになるようデザインするのも、ひとつの方法です。リビングで食事のしたくなどをしているとき、リビングで勉強したり遊んだり勉強している子どもに目がとどくため、心配せずにすみます。

さらに、広々としたこのスペ-スに引き戸を設置し、必要であれば閉じてスペースを区切ることができるようにしておくと便利です。親戚などが泊まりにきたときや来客時などには、プライバシーもしっかり守ることができます。

機能的で広い玄関

玄関は広ければ広いほどよいでしょう。幼い子どもは、かなりたくさんの持ち物が必用だからです。その中で、特に大きなものはベビーカーです。ベビーカーを玄関でらくらくと広げられることができれば、出かける際などの準備がスムーズです。また、幼稚園や小学校に通うようになってからも、レインコートや長靴、あるいは制服がある学校であれば、指定の靴など、持ち物の量は減ることはありません。

ですから、できるかぎり玄関をすっきりと保ちつつ、利用しやすい状態にしておくには、広い玄関が理想的だといえます。あるいは、玄関自体はそれほど広くなくても、横に、土足で利用できるウォークインクローゼットを設置しておくと、大変便利です。

収納スペースは確保しておく

リビングに、あるいはリビングの近くに大きな収納スペースがあると、かなり重宝するでしょう。使用頻度の高い子どもの持ち物は多く、すぐ出し入れできるところに収納しておくのがおすすめです。おもちゃや洋服、あるいは学校で使うさまざまな道具など、合計するとかなりの量になります。

加えて、学校で作った作品なども大切に保管しておきたいところです。また、雛人形など、季節がきたらリビングに飾るような物も、まとめて入れて置けるほどのスペースがあると、さらによいでしょう。

収納スペース設置の自由度は、注文住宅ならではのメリットをいかしやすいポイントです。設計を話し合うときに、「どのような種類のものを、どのくらいの分量保管したいか」という観点から、じっくりと検討しておくとよいでしょう。

リビング階段を設ける

学校に通うようになった年齢の子どもをしっかりと見守りたいと考える場合、リビング階段を設けるのもおすすめです。例えば、帰宅した子どもが自分の部屋に行くまでの様子をさりげなく見ることができます。思春期などになると、リビングに居続けるということが減ってくる場合もありますので、リビングに階段があれば、親の心配をやわらげてくれるでしょう。

ただ、子どもが友人を家に連れてくるなどした場合には、あまり丸見えでは気まずい思いをさせてしまうかもしれません。ですから、角度や最低限のプライバシーがまもられるような設計を検討するのがよいでしょう。

子供用スペースも検討しておく

子ども部屋や子ども用のスペースに関しては、さまざまな工夫が必用かもしれません。子どもが幼いときには不要であっても、成長してきたら、やはり子どもだけの部屋が必要になるでしょう。ただし、部屋の中の様子がまったくわからないというのは、不安のたねになってしまう可能性があります。

そこで、おすすめなのが「年齢にあわせてつくりかえられるような柔軟性のある子供用スペース」です。たとえば、兄弟がいる場合は、本棚を壁のように配置して、子どもたち用のスペースをつくります。

また、一人部屋が必用な年齢に達したら、本棚や間仕切りなどでさらに部屋を区切るなどする方法もあります。ですから、窓や照明の設置箇所などは設計時にあらかじめ考慮しておく必要があります。この方法であれば、子どもたちがおとなになって巣立っていったあとには、またオープンなスペースに戻すことも難しくありません。

転んだ時の衝撃を和らげる床材を選ぶ

転んでしまった場合などに、あまり大きな怪我をおわないよう、転倒の衝撃を緩和できる床材を選ぶことも大切です。滑りやすい床や硬すぎる床は、子どもたちが転んだり、あるいはどこかから転落してしまった場合などにダメージを強めてしまう可能性があるので、避けたいところです。

衝撃をやわらげる床としては、自然素材を使ったものを選ぶとよいでしょう。自然素材は、弾力性が高く、また、滑りにくいと行った性質があるものが多いです。

階段も床面積やカーブを考慮した方が良い

子どもが安全に暮らせる設計において特に注意が必要なのが、階段です。階段の形状によっては、事故を誘発しやすいものもあります。ですから、理想的には平屋住宅が不安なく子育てできる住まいだというのも事実です。

ただ、家を建てる敷地面積などの条件から、平屋が難しいという場合が多いのが実情です。ですから、できるだけリスクを抑えられる階段を設置することが大切なポイントとなります。

1)カーブと事故のリスクを考慮する

リスクの低い階段を選択する際に最も優先させて考えたいのは、「カーブのある階段を選ぶ」ということです。カーブのない「直階段」は、その名のとおりカーブがなく、まっすぐな形状です。このタイプの階段だと、1番上から階下の床まで転落してしまう転落事故が起こるリスクが高いので、避けたほうがよいでしょう。

2)床面積は多いけれどおすすめ

階段は、床面積が広い形状のものが、事故が起こりにくいとされています。代表的には、踊り場の面積がたっぷりとられている「折返し階段」です。

広い踊り場を確保するとなると、床面積はどうしても多くなってしまいますが、このタイプの階段の方が事故のリスクをおさえられます。子育てをしやすい住まいという観点から、ぜひおすすめしたい階段です。

まとめ

子供にとって不安要素が少なく、かつ親にとっては子育てがしやすい設計の家を建てる際に、ぜひ抑えておきたいポイントを紹介しました。家族の希望を実現しやすい注文住宅のメリットを存分に生かしながら、間取りを考えていく際に、ぜひお役立てください。

家族が集うスペースを大切にしつつ、玄関やリビングを中心とした場所にはたっぷりとした収納スペースがあれば、明るくて快適な暮らしを後押ししてくれるはずです。また、子どもの成長をさりげなく見守るリビング階段や柔軟性に富んだ子どもスペースは、長期的な視点をもった家づくりをするためには、検討の価値アリです。

さらに、転倒時の衝撃をやわらげてくれる床材や事故リスクの低い階段は、子どもにとってだけでなく、高齢者にとってもやさしい住まいだといえるでしょう。

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